HIVは「感染したら一生治療が必要になる病気」というイメージが強く、不安を感じている人も多いのではないでしょうか。一方で近年、医療の進歩によりHIVは“予防できる時代”に入りつつあります。その代表的な方法が、PrEP(プレップ)と呼ばれるHIV予防薬です。
PrEPは、HIVに感染する前から薬を服用することで、性行為などによるHIV感染リスクを大幅に下げることができる予防法です。海外ではすでに広く使われており、「HIV予防のスタンダード」として位置づけられています。日本でも徐々に認知が広がり、「聞いたことはあるけれど、実際どんな薬なのかよくわからない」「副作用はないの?」「日本でどうやって入手するの?」といった疑問を持つ人が増えています。
この記事では、PrEPとは何かという基本から、HIVを予防できる仕組みや効果、副作用の安全性、日本での入手方法までを、医療知識がない方にもわかりやすく解説します。
「HIVが怖い」「将来のリスクを減らしたい」と感じている方が、自分にとってPrEPが選択肢になるのかを判断できることを目的とした内容です。
HIV予防について正しく知ることは、自分自身だけでなく、大切な人を守ることにもつながります。
まずは、PrEPがどのような薬なのか解説していきます。
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PrEP(プレップ)とは何か?
PrEP(プレップ)とは、HIVに感染する前から薬を服用することで、HIV感染を予防する方法です。
正式には Pre-Exposure Prophylaxis(曝露前予防内服) と呼ばれ、「感染のリスクがある行為の前に、あらかじめ体を守る」という考え方に基づいています。
これまでHIV対策といえば、コンドームの使用や定期的な検査が中心でした。しかし医療研究の進展により、HIV治療に使われてきた抗HIV薬を、予防目的で服用することで高い感染予防効果が得られることが分かってきました。その結果生まれたのがPrEPです。
PrEPの正式名称と意味(曝露前予防内服)
PrEPは「感染の可能性がある前(Pre-Exposure)」に薬を飲む「予防(Prophylaxis)」の略称です。
日本語では「曝露前予防内服」と訳されます。
HIVは体内に侵入すると、免疫細胞の中で増殖を始めます。PrEPで使われる薬は、ウイルスが体内で増殖・定着するのを初期段階でブロックする働きがあります。そのため、HIVが体内に入ってきても、感染が成立する前に防ぐことができるのです。
重要なのは、PrEPはHIVに感染していない人が使う予防薬であるという点です。すでにHIVに感染している人の治療目的で使う薬とは、目的と使い方が異なります。
PEP(曝露後予防)との違い
PrEPとよく混同されるものに、PEP(曝露後予防)があります。
- PrEP:
感染リスクのある行為の前から服用して予防する方法 - PEP:
感染リスクのある行為の**後(原則72時間以内)に緊急的に服用する方法
PEPは、コンドームが破れた場合や予期しないリスクがあった場合に使われる「緊急対応」です。一方、PrEPはあらかじめリスクに備える計画的な予防法であり、継続的にHIV感染リスクがある人に向いています。
つまり、
👉 PrEP=日常的な予防
👉 PEP=万が一のときの応急処置
と考えると分かりやすいでしょう。
どんな人がPrEPの対象になるのか
PrEPは「誰でも必ず飲むべき薬」というものではありません。
主に、HIVに感染するリスクが一定以上ある人を対象とした予防法です。
一般的に、PrEPの検討対象となるのは以下のようなケースです。
- 性行為の相手が複数いる、または不特定多数である
- コンドームを使えない・使わない状況がある
- パートナーのHIV感染状況が分からない
- HIV感染への不安が強く、精神的な負担になっている
- 過去に性感染症にかかったことがある
一方で、感染リスクがほとんどない人にとっては必須ではありません。
そのため、PrEPを始めるかどうかは、医師と相談しながら自分の生活スタイルやリスクを踏まえて判断することが大切です。
PrEPは「怖いから飲む薬」ではなく、
「正しく知った上で、自分を守るために選択できる予防手段」です。
PrEPでなぜHIVを予防できるのか?
PrEPがHIVを予防できる理由は、HIVが体内に侵入してから感染が成立するまでに“時間差”があるからです。
PrEPは、そのわずかなタイミングを狙って、ウイルスの増殖を初期段階で止める働きをします。
HIV感染の仕組みとPrEPの作用メカニズム
HIVは、体内に入った瞬間にすぐ感染が成立するわけではありません。
性行為などによって体内に侵入したHIVは、まず免疫細胞に入り込み、増殖を始めます。この増殖が進み、体内にウイルスが定着して初めて「感染した状態」になります。
PrEPで使用される薬は、このウイルスが免疫細胞の中で増える過程をブロックします。
そのため、HIVが体内に入ってきても、増殖できずに感染が成立しないのです。
ポイントは、
👉 あらかじめ薬を体内に十分な量保っておくこと
これにより、HIVが侵入した瞬間から防御できる状態を作ります。
治療薬と予防薬の違い
PrEPで使われる薬は、もともとHIV感染者の治療に使われてきた薬と同じ成分です。ただし、目的がまったく異なります。
- 治療目的:
すでに体内に存在するHIVの増殖を抑え、病気の進行を防ぐ - 予防目的(PrEP):
HIVが体内に入っても、感染が成立する前に防ぐ
治療では複数の薬を組み合わせて使うのが一般的ですが、PrEPでは予防に必要な最小限の薬だけを使うため、体への負担も比較的少ないとされています。
服用を始めてから効果が出るまでの期間
PrEPは、飲んだその瞬間から完璧に効くわけではありません。
体内に十分な薬の濃度が保たれて初めて、予防効果が安定します。
一般的には、
- 毎日服用する場合
→ 数日〜1週間程度で安定した予防効果が期待できる - オンデマンド(必要なときだけ)服用の場合
→ 正しいタイミングと方法で飲むことが重要
とされています。
そのため、自己判断で飲み始めたり、飲み方を間違えたりすると、本来の予防効果が得られない可能性があります。
PrEPは「飲めば安心」ではなく、正しい方法で使ってこそ意味がある予防薬です。
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PrEPの効果はどれくらい高い?
PrEPが注目されている最大の理由は、HIV感染予防効果の高さです。
正しく服用した場合、PrEPは性行為によるHIV感染リスクを最大99%程度低下させるとされています。
これは複数の大規模な臨床研究や、海外での実際の使用データによって確認されており、PrEPは世界的に「非常に効果の高いHIV予防法」として位置づけられています。
HIV予防効果は最大99%というエビデンス
PrEPの効果に関する研究では、毎日きちんと服用している人ほど感染予防効果が高いことが明確に示されています。
- 正しく継続して服用している場合
→ HIV感染リスクを約99%低下 - 飲み忘れが多い場合
→ 予防効果は大きく低下
この差からも分かる通り、PrEPは薬そのものが強力なのではなく、「使い方」が効果を左右する予防法です。
言い換えれば、正しく使えば非常に心強い武器になるということです。
効果が下がるケース(飲み忘れ・不適切な服用)
PrEPの効果が十分に発揮されない主な原因は、以下のようなケースです。
- 飲み忘れが頻繁にある
- 自己判断で服用を中断・再開している
- 正しい飲み方を理解しないまま使っている
- 定期的な検査を受けていない
特に注意したいのが、「たまに飲めばいい」と誤解してしまうことです。
PrEPは、体内に一定以上の薬の濃度が保たれていることが重要なため、中途半端な服用は予防効果を大きく下げてしまいます。
「飲んでいるつもり」ではなく、
「正しく飲めているか」が大切です。
コンドームとの併用は必要?
PrEPはHIV感染には非常に高い予防効果を持ちますが、HIV以外の性感染症(梅毒・淋病・クラミジアなど)を防ぐ効果はありません。
そのため、
- HIV予防:PrEP
- その他の性感染症予防:コンドーム
という役割分担になります。
実際には、
「PrEP+コンドーム」の併用が、最も安全性の高い選択です。
ただし、現実的にコンドームの使用が難しい場面がある人にとって、PrEPはリスクを大きく下げる現実的な選択肢でもあります。
PrEPは「何も考えなくていい薬」ではなく、
自分の行動やリスクを理解した上で使う“予防の手段”です。
PrEPの飲み方・使い方
PrEPは、正しい方法で服用してこそ高い予防効果を発揮する薬です。
飲み方にはいくつかの選択肢がありますが、自己判断で使い分けるのは危険なため、基本的には医師の指示に従うことが前提になります。
毎日飲む「デイリーPrEP」とは
デイリーPrEPは、1日1回、毎日決まった時間に薬を服用する方法です。
現在、最も一般的で、効果と安全性が最も確立されている飲み方とされています。
デイリーPrEPの特徴
- 毎日1錠を継続して服用
- 体内の薬の濃度が常に安定する
- 性行為のタイミングを気にする必要がない
- 初心者にも分かりやすく、失敗しにくい
特に、
- 性行為の頻度が一定ではない人
- 飲み忘れが少ない人
- 初めてPrEPを使う人
には、デイリーPrEPが基本の選択肢になります。
必要なときだけ飲む「オンデマンドPrEP」とは
オンデマンドPrEPは、性行為の前後に決められたスケジュールで服用する方法です。
「2-1-1法」と呼ばれることもあります。
一般的な服用スケジュールは以下の通りです。
- 性行為の 2〜24時間前に2錠
- 性行為の 24時間後に1錠
- さらに 48時間後に1錠
合計で4錠を1セットとして服用します。
この方法は、特定の条件下で有効性が確認されている飲み方ですが、
- 飲むタイミングを間違えると効果が大きく下がる
- 対象となる人が限られている
- 日本では医師の判断が必須
といった注意点があります。
そのため、オンデマンドPrEPは「誰にでもおすすめできる方法」ではありません。
どちらを選ぶべきかの考え方
結論から言うと、
迷ったらデイリーPrEPを選ぶべきです。
- 初めてPrEPを使う
- 飲み忘れが心配
- 性行為のタイミングが予測できない
こうした場合は、デイリーPrEP一択と考えて問題ありません。
一方で、
- 性行為の頻度が低い
- タイミングがある程度予測できる
- 医師からオンデマンド使用を勧められている
といった条件がそろった場合に限り、オンデマンドPrEPが検討されます。
重要なのは、
👉 自分に合わない方法を無理に選ばないこと
👉 必ず医師と相談したうえで決めること
PrEPは「飲み方」まで含めて初めて効果が成立する予防法です。
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PrEPの副作用と安全性
PrEPを検討する人が最も気になるのが、
「副作用は大丈夫なのか」「長く飲み続けても安全なのか」という点でしょう。
結論から言うと、PrEPは世界中で広く使われており、安全性が高いことが確認されている薬です。
ただし、医薬品である以上、まったく副作用がないわけではありません。
重要なのは、どのような副作用が、どれくらいの頻度で起こるのかを正しく知ることです。
よくある軽い副作用
PrEPを飲み始めた直後に、以下のような軽い副作用が出ることがあります。
- 吐き気
- 下痢
- 胃のムカつき
- 頭痛
- だるさ
これらは、服用開始から数日〜数週間以内に自然におさまるケースがほとんどです。
いわゆる「飲み始めの一時的な症状」で、多くの人は問題なく継続できます。
また、
- 食後に飲む
- 就寝前に飲む
といった工夫で、症状が軽減することもあります。
まれに注意が必要な副作用(腎機能・骨密度)
PrEPを長期間継続して服用する場合、ごくまれに注意が必要とされるのが以下の点です。
- 腎機能への影響
- 骨密度の軽度な低下
ただし、これらは頻度が低く、定期的な検査を行っていれば早期に発見・対応が可能とされています。
実際、PrEPを使う際には、
- 開始前
- 使用中(数か月ごと)
に血液検査などを行い、体に異常が出ていないかを確認する仕組みが整っています。
もし検査で問題が見つかった場合は、
- 一時的に中止する
- 別の選択肢を検討する
など、安全を最優先した対応が取られます。
長期間飲み続けても大丈夫なのか?
PrEPは、すでに10年以上にわたり世界中で使われている予防薬です。
その中で、重篤な健康被害が問題になったケースは極めてまれであり、
専門家の間では「正しい管理のもとで使えば、長期使用も安全」という認識が共有されています。
また、PrEPは
- 毎日一生飲み続けなければならない薬
ではありません。
ライフスタイルの変化に応じて、
- リスクが下がったら中止する
- 必要な期間だけ使う
といった柔軟な使い方ができるのも特徴です。
ここで一つ大切なポイントがあります。
PrEPは
❌ 「検査なしで飲み続ける薬」ではありません
⭕「定期検査とセットで使う予防法」です。
この前提を守ることで、
PrEPは「怖い薬」ではなく、安心して使えるHIV予防の選択肢になります。
PrEPを使う前・使っている間に必要な検査
PrEPは、検査とセットで使うことで初めて安全性と効果が担保される予防法です。
「薬さえ飲めば大丈夫」というものではなく、定期的な検査を受けることが前提になります。
服用前に必ず必要な検査
PrEPを始める前には、必ず医療機関で検査を受ける必要があります。
主に行われるのは以下の検査です。
- HIV検査
→ 現時点でHIVに感染していないことを確認するため - 腎機能検査(血液検査)
→ 薬を安全に使える体の状態かを確認 - B型肝炎ウイルス検査
→ 一部のPrEP薬はB型肝炎と関係があるため - その他の性感染症検査(梅毒・淋病・クラミジアなど)
→ 同時感染の有無を確認するため
特に重要なのが、HIV検査で「陰性」であることを確認してから服用を開始するという点です。
もしHIVに感染している状態でPrEPを使ってしまうと、薬剤耐性が生じるリスクがあります。
服用中に定期的に行う検査
PrEPを使い始めた後も、定期的な検査が欠かせません。
一般的には、以下のようなペースで行われます。
- HIV検査:3か月ごと
- 腎機能検査:数か月〜半年ごと
- 性感染症検査:必要に応じて定期的に
これにより、
- 万が一HIVに感染してしまった場合でも早期発見できる
- 副作用の兆候を早い段階で確認できる
といったメリットがあります。
検査を受けないリスク
自己判断でPrEPを使用し、検査を受けずに続けてしまうことは非常に危険です。
- HIV感染に気づかず服用を続ける
- 薬が効きにくいウイルスが生まれる
- 適切な治療開始が遅れる
といったリスクにつながります。
PrEPは、
❌「自己流で飲む予防薬」
ではなく、
⭕「医療管理のもとで使うHIV予防プログラム」
と理解することが大切です。
日本でPrEPを入手する方法
日本でもPrEPは利用できますが、入手方法や費用について正しく理解しておくことが重要です。
特に「ネットで買えると聞いた」「個人輸入って大丈夫?」といった誤解が多いため、ここで整理します。
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医療機関での処方の流れ
最も安全で推奨される方法は、医療機関で医師の診察を受けて処方してもらうことです。
一般的な流れは以下の通りです。
- PrEPに対応している医療機関を受診
- 問診・リスク評価
- 必要な検査(HIV検査・血液検査など)
- 問題がなければ処方開始
- 定期的な診察・検査を継続
この方法の最大のメリットは、
- 安全性が担保される
- 副作用やトラブル時にすぐ相談できる
- 正しい飲み方の指導を受けられる
という点です。
「HIV予防のために病院に行くのはハードルが高い」と感じる人もいますが、
PrEP対応クリニックではプライバシーに配慮した診療が行われているケースがほとんどです。
保険適用はされる?自由診療の現状
日本では現在、PrEPは公的医療保険の対象外(自由診療)です。
そのため、診察・検査・薬代はすべて自己負担となります。
費用は医療機関や薬の種類によって差がありますが、
- 国内正規薬のみ使用する場合
→ 月数万円〜それ以上 - 海外製ジェネリックを扱う医療機関の場合
→ 月1〜3万円前後
が一つの目安です。
費用面は決して安くはありませんが、
「感染してから治療を続ける負担」と比較すると、予防としての価値は高い
と考える人も少なくありません。
オンライン診療や個人輸入は安全?
最近では、オンライン診療でPrEP相談・処方を行う医療機関も増えています。
通院が難しい人にとっては現実的な選択肢ですが、
医師の診察・検査を省略する形のサービスは避けるべきです。
一方、海外サイトから薬を購入する個人輸入については注意が必要です。
- 偽造薬や品質不明の薬が混在している
- 正しい検査を受けないまま使われがち
- トラブル時に自己責任になる
といったリスクがあります。
PrEPは
❌「安く買えればいい薬」
ではなく、
⭕「安全に使ってこそ意味がある予防薬」
という点を忘れないことが大切です。
PrEPの費用はいくらかかる?
PrEPを検討するうえで、多くの人が現実的に気になるのが費用です。
日本では現在、PrEPは自由診療のため、費用には幅があります。
ここでは、日本でPrEPを使う場合の目安となる金額感を整理します。
日本国内での費用相場
医療機関でPrEPを処方してもらう場合、主に以下の費用がかかります。
- 初診料・再診料
- 各種検査費用(HIV検査・血液検査など)
- 薬代(PrEP薬)
これらを含めた月あたりの総額は、おおよそ次のようになります。
- 国内正規薬のみを使用する場合
→ 月 5万円〜8万円前後 - 海外製ジェネリック薬を扱う医療機関の場合
→ 月 1万円〜3万円前後
※ 金額は医療機関や地域、検査内容によって異なります。
ジェネリック薬を使った場合の目安
費用を抑えたい人の多くが検討するのが、海外製ジェネリック薬です。
ジェネリック薬は、有効成分が同じで、価格を抑えた薬です。
医療機関を通じてジェネリック薬を処方してもらう場合、
- 品質管理がされている
- 正規の検査・診察を受けられる
- トラブル時の相談先が明確
というメリットがあります。
単に「安いから」という理由で個人輸入を選ぶのではなく、
医師の管理下でジェネリックを使うという選択肢が、現実的かつ安全です。
海外と比べた日本の費用の違い
海外では、PrEPは公的制度でカバーされている国が多いのが現状です。
- アメリカ・イギリス・フランスなど
→ 保険適用や公費負担で実質無料〜低額 - 日本
→ 全額自己負担(自由診療)
この違いにより、日本では「使いたくても費用がネックになる」ケースが少なくありません。
一方で、専門家の間では
「HIV感染後の生涯治療費と比べれば、PrEPによる予防は社会的にも合理的」
という意見も多く、今後の制度整備が期待されています。
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PrEPの注意点と誤解されやすいポイント
PrEPは非常に有効なHIV予防手段ですが、万能な薬ではありません。
誤解したまま使うと、期待した効果が得られなかったり、不要なリスクを抱えることになります。
ここでは、特に誤解されやすいポイントを整理します。
PrEPはHIV以外の性感染症は防げない
PrEPが予防できるのは、HIVのみです。
- 梅毒
- 淋病
- クラミジア
- HPV など
これらの性感染症を防ぐ効果はありません。
そのため、
PrEP=すべての性感染症から守ってくれる薬
と考えてしまうのは危険です。
HIV以外の性感染症を防ぐためには、
- コンドームの使用
- 定期的な検査
が引き続き重要になります。
PrEPを飲んでいても感染する可能性はある?
正しく服用していれば、PrEPのHIV予防効果は非常に高いですが、
100%感染を防げるわけではありません。
感染リスクが残るケースとしては、
- 飲み忘れが多い
- 服用開始直後で体内濃度が十分でない
- 誤った飲み方をしている
といった状況が挙げられます。
つまり、
❌「飲んでいるから絶対に大丈夫」
ではなく、
⭕「正しく飲んでいるからリスクが大きく下がる」
という理解が正確です。
「誰でも飲めばいい薬」ではない理由
PrEPは非常に優れた予防法ですが、
すべての人に必要な薬ではありません。
- HIV感染リスクがほとんどない人
- 定期検査を受けるのが難しい人
- 自己判断で服用を続けてしまいそうな人
こうした場合、PrEPは必ずしも適切な選択とは言えません。
PrEPは、
自分の生活スタイルやリスクを理解したうえで、医師と相談して選ぶ予防法
です。
「不安だからとりあえず飲む」ではなく、
正しい知識をもって選択することが最も重要です。
PrEPはどんな人におすすめか?
PrEPは非常に有効なHIV予防手段ですが、誰にでも一律に必要な薬ではありません。
大切なのは、「自分にとってPrEPが適した選択肢かどうか」を冷静に判断することです。
感染リスクが高いと考えられるケース
PrEPの使用が特に検討されるのは、次のようなケースです。
- 性行為の相手が複数いる、または不特定多数である
- コンドームを使えない・使わない場面がある
- パートナーのHIV感染状況が分からない
- 過去に性感染症にかかったことがある
- 性行為のたびにHIV感染への不安が強い
これらに当てはまる場合、PrEPは感染リスクを大きく下げる現実的な選択肢になります。
不安を感じている人が知っておくべき選択肢
「実際のリスクは高くないかもしれないが、不安で性行為を楽しめない」
「将来のことを考えると、少しでもリスクを下げたい」
こうした精神的な負担も、PrEPを検討する理由の一つです。
PrEPは単なる薬ではなく、
不安を減らし、安心して生活するための予防手段
という側面も持っています。
まず何から始めればいいか
PrEPが気になった場合、最初にやるべきことはシンプルです。
- 正しい情報を知る
- 自分の生活やリスクを振り返る
- PrEPに対応している医療機関に相談する
「飲むかどうか」をすぐに決める必要はありません。
相談したうえで判断する、それだけで十分です。
まとめ|PrEPはHIV予防の新しい選択肢
PrEP(プレップ)は、HIVを予防できることが科学的に証明されている薬です。
正しく服用し、定期的な検査を受けることで、感染リスクを大幅に下げることができます。
一方で、
- 副作用がゼロではないこと
- 定期検査が必須であること
- HIV以外の性感染症は防げないこと
といった注意点もあります。
だからこそPrEPは、
正しい知識を持ち、医療機関と連携しながら使う予防法
として選ばれるべきものです。
HIV予防には、
- コンドーム
- 定期検査
- そしてPrEP
という複数の選択肢があります。
その中から、自分に合った方法を選べること自体が、現代の大きな前進です。
「知らなかったから選べなかった」ではなく、
「知ったうえで、自分で選ぶ」。
PrEPは、そのための新しい選択肢の一つです。

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